
カニはなぜ横歩きなのか?実は前後にも歩けるカニは沢山いる?
子どもの科学の質問の中などにカニはなぜ横歩きなのかという素朴な疑問があります。
当たり前すぎてその理由を考えたことはないのではないでしょうか。
しかし、実際には横歩きするカニは全体の半分程度、しかも、横歩きするカニも前後に歩くことは可能なんです。
横歩きする理由
カニが横歩きする理由は、すごく単純で「カニの関節が横むきになっているから」です。
体の横のほうに足が並んでいるので横向きだと素早く動くことができます。
前や後ろに移動しようとするとひざが曲がらない方向なうえに、足がぶつかって移動に時間がかかってしまうのです。
足と足の間がとても狭く、太くて短い足だからです。
敵に襲われたときに素早く移動するために横向きに動くようになったのではないかといわれています。
カニの足は7つの関節があり、足の付け根の関節は比較的動かしやすくなっているものの、足の中間から先の関節は一方向にしか動かせません。
足が頭の方にもついていますから、横歩きというのは合理的な移動方法だということがわかります。
前後に歩くカニとは?
横歩きするカニは、私たちがよく見るイソガニ、イワガニ、ベンケイガニなどがそうですが、たまたま陸でよく見かけるカニが横歩きだったことから、カニは横歩きしかできないと思われているのではないかと思います。
つまり、一方でカニでも前歩きや斜めに歩くカニも沢山いるという事です。
例えば、ヤドカリとカニの中間のような立場のアサヒガニです。
赤いカニで可愛く歩きます。
あとは、有名なズワイガニやタカアシガニも前後斜め左右に歩きます。
深海に生息するこれらの蟹は、足も長く可動域も広いので、前後の動きも比較的早く対応できるようです。
カニの足の爪先は身は少なめですが上品な味わいです。
それはカニが横歩き以外にも前後斜めに自在に動くことで鍛えられているからかもしれません。
はさみ以外のカニの甲羅につながっている部分で最もよく食べられている棒肉という部分もうまみたっぷり、身がぎっしり詰まっていて美味しい部位です。
この美味しさも自由自在に歩く効果かもしれません。
これから家族や友達とカニを食べる時には、ぜひ「カニは横歩きだけじゃなく前後にも歩けるんだよ」と教えてあげてください。